本業の仕事に「追い込まれている」(かなり甘えた言い方。世のたいへんな人たちに比べると全然たいしたことはないのですが)なかで、3月はこれまで5回、演芸会に行っています。2日(水)の「立川流」、10日(木)の「講談ガールズ・スタイル」のことは書きましたので、その後の3回について、かんたんに。
○19日(土)「快楽亭一門会」(お江戸上野広小路亭)
開口一番が師匠ブラック「湯屋番」ベースの新作「女子プロレスレフリー番」(?)。客は30人ほど。案外、”一般客”も多く、”ブラック色”の強いマクラ&本編にとまどう雰囲気もあった。
5番弟子・小ブラ「転失気」。ぼくは初見。アヤシイ度は4人の兄弟子を上回る。
1番弟子・ブラ房「長短」。二つ目昇進は昨年ならなかったが、実力はじゅうぶん。口跡ははっきりしているし、清潔感ある外見に毒舌の切れ味もある。
4番弟子・ブラッC。なんだったっけ。あいかわらずの不思議な高座。怒ったりあきれたりする人もいるだろうが、ぼくはまあ、いつも楽しんでしまう。
3番弟子・ブラ汁「オカルトTV」(新作。勝手に名づけ)。古典も新作もそこそこやってしまう。
2番弟子・ブラ談次「やぶ医者」。芸名の由来は、左談次への入門志望もブラックにまわされたので。場数をふむ機会が多く、入門当初に比べるとずいぶん臨機応変さが身についたようだ(と
エラソーに)。
おまけに、ブラ汁+ブラッC+小ブラの「面接コント」。ブラ房+ブラ談次の「漫才」。若者にはウケにくいかもしれないが、ぼくにはおもしろかった。
○20日(日)「東西落語研鑽会」(よみうりホール)
扇遊「片棒」。いわば本寸法の古典。こういうのもイイんだよな、と感じた。
鶴瓶「青木先生」。鶴瓶ばなし、「長屋の傘」とならぶ名作(でいいと思うんだけど)。笑えて泣ける(ぼくは泣いた)。当会ではいままで「小朝指令」による噺をしてきたが、正蔵のことで今回は鶴瓶自身が選んだ演目(とのこと)。ぼくが言うまでもないが、鶴瓶おそるべし。
小三治「小言念仏」。歴代の小三治-小さん-正蔵ばなしがマクラ(たっぷり)。BS笑点で弟子の喜多八が同じ「小言念仏」をやっていた。なるほど、師匠・弟子だと感じた。愉快。
寿獅子(舞い)をはさんで、春団治「野崎詣り・船の旅」(でいいのかな)。文枝師が亡くなって間もないこともあってか、お疲れのようだった。
こぶ平「一文笛」。こぶ平として最後の高座。米朝師に教わったエピソードをマクラに。あたたかい会場の雰囲気に応えたと思う。
23日(水)「高度勢朝の会」(池袋演芸場)
○こみち「狸の札」。初見。女性。一所懸命で好感。
○左喬「錦の袈裟」。(勢朝「厩火事」をはさんで)
○一九「たいこ腹」。この2人は、勢朝の会にはかならず出る。寄席にはいてほしい中堅どころ。
(後日、27日に、かっぱ橋本通りで一九に遭遇。浅草演芸ホールに向かっていたのかな)
○勢朝は「厩火事」と「甲府い」。”楽屋の王様”だけに、マクラ(雑談)はいつも時事ネタから楽屋ネタまで新鮮で、とても楽しい。とくに(林家)きくおネタは「100もある」そうで、もっと聞きたいね。4月3日(日)の「笑芸人<超>特選落語会」(紀伊国屋ホール)では、きくおネタを大放出するとのこと。本編に入ると、マクラが切れ味バツグンなだけに、その分、いつも勢いが少なく感じてしまう。いや、いいんですけど。そのうち、”脱線”いっぱいの、それでいて噺もつながるような勢朝落語を、と期待。
あと、30日(水)「立川流一門会」(池袋・芸術劇場)に行く予定。談志、談春と、新真打の談慶、談笑の会。
本では、談四楼『大書評芸』(ポプラ社)を購入。今週末から自宅トイレ読みで『米朝集成4』を読みはじめるのですが、そのあとになりそうです。
演芸本ではないのですが、『笑いの力』(河合隼雄、養老孟司、筒井康隆、岩波書店)を読む。笑いについての3人の講演録と、三林京子(米朝師の弟子として桂すずめ)を加えてのシンポジウム。深いけれど読みやすく、満喫。